- 2025年4月14日
日帰り東京へ。美容内科の勉強会に出席してきました。
こんにちは。いけざわ神戸元町クリニック美容皮膚科 池澤久実です。
昨日はどうしても出席したい勉強会があり、日帰りで東京に行き、美容内科学会の勉強会に参加して来ました。以前より分子栄養学(オーソモレキュラー療法)や機能性医学に興味を持っており、自分で勉強したりしていましたが、これらの有名な先生方の講演を聞く事ができる貴重な機会でしたので、院長に一日子供や犬をみてもらいながら参加してきました。本当に参加してよかった!!と思える勉強会でした。院長、ありがとうー(^o^)丿感謝です!
最近何となく体調がすぐれない…色々検査をしても原因がわからない…とご相談いただく機会が増えていると感じています。産業医として企業の従業員の方々の健康管理にも携わっておりますが、健診結果異常もなく、メンタル不調もなくそれでも体調がスッキリしないという方が一定数おられます。
私自身もそう感じることがあり、年のせいかな?更年期の影響もあるかな?と自分に言い聞かせていました。ある日、知り合いの先生の娘さんが原因不明の体調不良や貧血のような症状、じんましんに悩まされていて分子栄養学の有名な先生に相談され、それは食べ物が合わなかったり、足りない栄養素が影響しているからでは?とアドバイスされたと。分子栄養学に基づく採血検査をしたら、たんぱく質や亜鉛が足りなくて、上手く細胞の代謝が出来ていない状態と診断され、肉などのたんぱく質を増やして亜鉛など足りない栄養素をサプリメントで補充したらとても体調が良くなりじんましんも無くなったと聞いて、やっぱり効くし、是非当院でも実践したい気持ちが増しています。
オーソモレキュラー療法は聞いたことのある方もいらっしゃると思いますが、何やら怪しげな医療だな…と感じる方もおられると思います。本日はこれらについてご説明したいと思います。
分子栄養学(オーソモレキュラー療法、Orthomolecular Medicine)は、体の根本原因にアプローチして健康を回復・維持することを目的とした医療スタイルです。オーソモレキュラーとは、正しい分子と言う意味です。20世紀以降にアメリカを中心に発展した概念で、1968年にアメリカの化学者でノーベル賞受賞者のライナス・ポーリングにより提唱された医学です。博士はビタミンやミネラルなど体内の分子環境を最適化する事で、健康を維持したり回復できると考えました。例えば、うつ病の背景に「ビタミンB6欠乏」や「鉄不足」があると見立て、必要な栄養素を補います。高濃度ビタミンC療法を浸透させた人でもあります。
特徴
- ノーベル賞受賞者ライナス・ポーリング博士が提唱
- 「体内の分子(=栄養素)を最適な状態に保つことで健康を維持」
- 栄養素による病気の予防・治療
- 血液検査の詳細な解析をもとに栄養状態をチェックする
- 病名よりも、細胞の代謝状態の正常化を目指す
機能性医学という概念もあります。提唱者はアメリカの生化学者でポーリング博士の弟子のジェフリー・ブラントが1990年代に提唱しました。機能性医学は、症状ではなく「根本原因」に着目し、患者個人の生活習慣・遺伝・環境・ストレス・食事などを総合的に見て治療を行う医学です。たとえば、「疲れやすい」という症状があれば、「甲状腺?副腎?ミトコンドリア機能?鉄欠乏?血糖調整?」など多面的にアプローチします。
特徴
- システム生物学に基づいたアプローチ(身体を相互につながったシステムとして見る)
- 症状を抑えるのではなく、**「なぜそれが起きたのか」**を掘り下げる
- 医師と患者がパートナーのように協力する
- 食事、運動、ストレス管理、サプリメント、解毒など幅広く対応
- 遺伝情報や腸内環境、ホルモンバランスなどを精査することも多い
私は、機能性医学の中に分子栄養学的な視点を取り入れて両者を組み合わせることでより相乗効果が期待できると思っています。実は50年以上の歴史のある確立された医療なのです。
当院のコンセプトでもある、健康を守るための内科診療と人生を明るくするためのアンチエイジング医療をさらに充実すべく、美容内科としてこれらの療法を取り入れたいと考えており準備を進めて参ります。