- 2025年7月14日
便潜血陽性の方へ─大腸内視鏡検査が命を守る検査である理由
こんにちは!いけざわ神戸元町クリニックの院長の池澤です。
健診の受検シーズンになりましたね。
そろそろ結果が戻ってきている方もいらっしゃると思います。
今回は便潜血検査が陽性になった方へのメッセージをお伝えしたいと思います。
「便潜血検査で陽性」と聞くと、多くの方が驚きや不安を感じるかもしれません。しかし、この検査結果は“要精密検査”のサイン。放置せず、必ず大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けることがとても重要です。その理由は・・・
■ 便潜血陽性の背景には、がんやポリープが隠れている可能性があります
便潜血検査は、便の中に目に見えない微量の血液が混じっていないかを調べるスクリーニング検査です。この血液の原因が、大腸ポリープや大腸がんによる出血ということもあります。実際のデータでは…
- 便潜血陽性の人のうち、約3〜5%に大腸がんが見つかる
- 約20〜30%に前がん病変である大腸ポリープが見つかる
つまり、陽性者の3〜4人に1人は、がんやポリープが見つかる可能性があるということです。
■ 放置すると手遅れに…?
初期の大腸がんは無症状のことが多く、「何も症状がないから大丈夫」と思ってしまいがちです。しかし、症状が現れてからでは進行していることも少なくありません。
- 早期の大腸がんであれば、内視鏡で切除できることが多く、5年生存率は90%以上
- 一方、進行がん(ステージⅢ以上)になると、5年生存率は50〜70%台にまで低下
便潜血陽性という結果は、早期発見・早期治療のチャンスでもあるのです。
■ 大腸内視鏡検査でしか分からないこと
便潜血検査は、あくまでも「大腸に異常がある可能性」を示すスクリーニング検査です。実際にがんやポリープが存在するかどうかを確認し、必要に応じてその場で切除まで行えるのが大腸内視鏡検査です。
当院では、内視鏡専門医が、鎮静剤を用いた苦痛の少ない内視鏡検査を行っております。検査時間はおよそ15〜20分程度と短く、身体への負担も少なくて済みます。
また、下剤の内服が不安な方のために、専用の前処置スペースとプライベートトイレをご用意。リラックスした環境で、院内にて下剤の服用が可能です。
さらに、他院では10mm未満のポリープのみ切除対応となっていることも多く、大きめのポリープが見つかった場合には、改めて対応施設を受診し、再度下剤を服用し直す必要があるケースも少なくありません。
当院では、そうした患者様のご負担を軽減できるよう、15〜20mm程度までのポリープであれば、可能な限りその場で切除まで対応しております。安心してご相談ください。
【まとめ】
便潜血陽性=がんではありませんが、無視してよい結果では決してありません。
がんを見つける最後のチャンスかもしれない――
そのチャンスを逃さないためにも、ぜひ内視鏡検査を受けてください。
ご不安な方は、どうぞお気軽にご相談ください。あなたの一歩が、将来の健康を守ります。