- 2024年8月20日
- 2025年2月21日
便潜血検査が陽性になったら・・?
皆様、こんにちは
当院は間もなく開院1周年を迎えます。多くの患者様にご来院いただき、心より感謝申し上げます。
私たち開業医の使命は、皆様に健康に関する情報をお届けし、日々の健康管理をサポートすることだと考えています。開業後、少し落ち着いたこのタイミングで、皆様に役立つ健康情報を定期的に発信していきたいと思います。
今回のテーマは「便潜血検査」です。
便潜血検査とは?
便潜血検査は、大腸や直腸のがんやポリープなどからの微量な出血を検出する検査です。肉眼では見えない血液が便に混じっているかどうかを調べ、大腸がんを早期に発見するために非常に重要です。健康診断やがん検診で実施されることが多く、特に40歳以上の方にはおなじみかもしれません。
便潜血検査の実施方法
検査は、2日間にわたって便の一部を専用のスティックや紙で採取することで行います。日本では、便中のヘモグロビンに対する抗体を用いた「免疫法」が主に使用されています。
便潜血検査で何がわかるのか?
2日分の便潜血検査により、進行大腸がんは70-80%の確率で発見されることがわかっています。しかし、1日分だけだと発見率は50%程度に低下してしまいます。必ず2日分の検体を提出することが大切です。
この検査で早期大腸がんの発見率は約40%、大腸ポリープに関しては10-15%と報告されています。進行がんの発見率は高いものの、早期がんやポリープの検出には限界があることを理解していただければと思います。
一方、便潜血検査が陰性であった場合、大腸がんでない確率は90%以上ですが、大腸ポリープの存在を完全に否定することはできません。
便潜血検査が陽性になったら…
便潜血検査が2回のうち1回でも陽性であれば、大腸がんの可能性を確認するために、大腸内視鏡検査を受ける必要があります。陽性となった場合でも、すべての方が大腸がんであるわけではなく、実際にがんが発見されるのは約0.5%程度です。しかし、大腸ポリープが見つかることが多く、早期に切除することで大腸がんの予防につながります。
大腸内視鏡検査について
大腸内視鏡検査では、盲腸から直腸までをカメラで直接観察し、大腸がんや炎症性腸疾患の診断を行います。ポリープが見つかった場合、その場で治療を行うことも可能です。
「大腸カメラは痛そう、しんどそう」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、適切な挿入法や鎮静剤を用いることで、ほとんど苦痛なく検査を受けることができます。当院では、患者様にとって内視鏡検査が当たり前の選択肢となるよう、できるだけ苦痛のない検査を提供しています。
ご相談ください
便潜血検査が陽性となった場合、痔による出血と安易に決めつけず、一度ご相談ください。皆様の健康を守るため、私たちは常に最善を尽くしてサポートいたします。