大腸カメラとは

大腸カメラのイメージ画像

大腸カメラ (下部消化管内視鏡検査)とは、肛門から内視鏡を挿入し、直腸から盲腸までの全大腸を調べる検査のことです。
当院では、内視鏡学会専門医が検査を行っています。
当院の内視鏡検査は、鎮静剤・鎮痛剤などを使用することで、楽にお受けいただくことが可能です。
拡大機能を備えた最新機器を使用し、鎮静剤・鎮痛剤、炭酸ガス、軸保持短縮法(腸をなるべく伸ばさずに挿入する方法)などを併用することで苦痛を軽減しながら、正確な検査を実施しています。
また大腸カメラでポリープが見つかった場合は、10mm程度のものであれば同日に切除することが可能です。

大腸カメラは何歳くらいから受ければいいの?

厚生労働省からの統計によると、大腸がんのがん罹患数の順位は男性・女性ともに2位、多いがんとなっています。また大腸がんによる死亡数はここ20年間で1.5倍に増加したと報告されています。

大腸がんの発症には加齢、飲酒、喫煙、食の欧米化、運動不足といった生活習慣が大きく関わっているとされていますが、殆どは良性の大腸ポリープから発生します。
そのため良性ポリープの段階で切除することが大腸がんの予防となります。
大腸ポリープや早期の大腸がんは内視鏡による切除までほぼ100%治癒が可能ですが、大腸がんは症状がでにくいため、早期発見のためには無症状のうちに定期的な内視鏡検査を受けることが必要です。
一度大腸内視鏡検査を受けていただければ、その腸の状況(ポリープの有無など)によって、今後の検査間隔をアドバイスすることが可能です。
そのため大腸内視鏡検査は30-40歳の間に一度受けておくことが望ましいとされています。

血便は検査を受ける良い機会

大腸がんは進行するまで症状が出にくい病気ですが、その症状の1つに血便があります。
血便がでた時に『たぶん痔だろう』と判断し、検査をうけずにそのままにしている方も少なくないのではと思います。
しかしながら、そのまま放置しておくと、もしがんが原因であった場合はさらに進行して手遅れになってしまうケースも少なくありません。
私もこれまで『もう少し早く受診してくれていれば』という経験を多くしてきました。
血便は身体が発する危険シグナルの1つです。
特に大腸内視鏡検査を一度も受けたことがない方は、ほっておかずに一度検査を受けることをお勧めします。

このような症状の方に検査をお勧めします

  • 血便がでた
  • 便秘や下痢などの便通異常がある
  • お腹の痛みが治まらない
  • 腹部膨満感がある
  • 貧血を指摘されている
  • 顔色が悪いと言われる
  • 体重が急に減少した
  • 便潜血検査で陽性と判定された
  • 大腸ポリープや大腸がんを治療したことがある

など

当クリニックの大腸カメラの特徴

鎮静剤・鎮痛剤を使用した苦痛の少ない検査
の鎮静剤・鎮痛剤イメージ画像

当クリニックでは、鎮静剤・鎮痛剤を使用することによりねむった状態(またはうとうとした状態)で内視鏡検査を楽に受けられます。
鎮静剤・鎮痛剤はひとりひとりに合わせて使用量を調整します。
お薬を使用するかどうかは患者様のご希望に合わせて決めております。

炭酸ガスを使用し、お腹の張りが少なく楽に検査が可能
検査のイメージ画像

大腸の中を観察する際には、小さなポリープなどの微細な病変を見逃さないように、大腸の中を空気で膨らませる必要がありますが、当クリニックでは空気より吸収が早い炭酸ガスを採用しておりますので、おなかが張りにくく、苦痛が少ない状態で検査をお受けいただけます。

軸保持短縮法による痛みの少ない挿入法
軸保持短縮法のイメージ画像

大腸は多くの屈曲が存在するため、通常の方法でカメラを挿入すると腸管が引き伸ばされ、痛みを伴うことがあります。
そのため、軸保持短縮法という挿入方法が用いられます。この方法は、腸管の曲がり角をできるだけ伸ばさずにカメラを挿入することを意味します。
この技術の習得には約2000件以上の経験を必要とするとされています。この方法を用いることで、患者様の苦痛を大きく軽減することができます。
当クリニックでは、軸保持短縮法に熟練した内視鏡医が苦痛を最小限に抑えた検査を行っております。

最新の内視鏡システムを導入
内視鏡システムのイメージ画像

当クリニックでは大学病院などhigh volume centerで導入されているものと同じ最新の内視鏡システムを導入しています。標準搭載されているBLI(blue light imaging)などの画像強調内視鏡を併用することでより精度の高い検査を行うことができます。

AI技術を用いた内視鏡診断
AI技術のイメージ画像

当クリニックでは「CAD EYE」というAI技術を用いた内視鏡診断支援機能を導入しています。
検査中ポリープの発見を補助するだけでなく、リアルタイムに発見されたポリープが非腫瘍または腫瘍かの診断支援を行います。

前処置室(専用トイレ付)を完備・下剤を院内で服用可能
前処置室(専用トイレ付)を完備・下剤を院内で服用可能

一般的に大腸カメラを行う際、患者様はご自宅で下剤を内服してから検査時間に病院に向かいます。中には"一人で下剤を飲むことが不安"だったり、"遠方のため来院中にトイレに行きたくなったりしないかが不安"という方もいらっしゃると思います。
当クリニックでは、前処置室(個人スペースそれぞれに専用トイレ)を完備しておりますので、安心して院内でゆっくりと下剤を飲んでいただくことが可能です。お通じがきれいになったあとに大腸カメラをお受けいただきます。
ご希望の方はお気軽にご相談ください。

感染症に配慮した安心で衛生的な検査
感染症に配慮した安心で衛生的な検査

処置具の多くはディスポーザブル製品(1回きりの使い捨て製品)を使用し、そうでないものもオートクレーブという機械によりしっかり洗浄・滅菌し使用しています。

検査の流れ

検査予約

大腸カメラの検査をご希望の場合、原則として事前に外来受診をお願いしております。遠方にお住まいの方については、電話での予約も受け付けておりますので、ぜひご相談ください。
検査の前には、現在服用中のお薬について確認させていただく必要がございます(お薬手帳をお持ちの方はご持参ください)。また、血液をサラサラにする効果があるお薬を内服されている方については、検査の数日前から休薬が必要な場合があります。
ご不明点やご質問がありましたら、どうぞお気軽にお知らせください。

  1. 検査前日
    • 食事は、検査食を食べていただくか、消化が良く大腸に残りにくい食事を摂取していただきます。
      とくに、繊維質の多い食品(ひじき、わかめ、こんにゃく、キノコ類など)、種子の多い食品(イチゴ、キウイなど)は検査2日前から控えていただけますと良好な検査を行うことができます。
    • 夕食は21時までにお済ませください。
    • 夕食後から就寝前に錠剤の下剤を2錠内服していただきます。
    • 水、薄いお茶は夜間も摂取可能です。
    • お早めに就寝し、体調を整えるようにしてください。
  2. 検査当日
    • 常用している薬は検査予約時の指示通り服用してください。
    • 糖尿病の方は、検査当日の朝の薬は服用しないでください。
    • お水、薄いお茶は摂取可能です。
    • ご自宅で、洗浄液を1~2L飲んでいただきます。5~10回の排便により、便の性状が透明で黄色の水様になれば大丈夫です。(※全身状態などにより、院内での内服をお願いすることがあります)
    • 指定された時間までに来院し、診察券・同意書を提出し、受付をしてください。
    • 排便状態・性状などの確認をします。必要に応じて洗浄液の追加内服や、浣腸の処置が必要となります。
    • 院内での下剤内服をご希望の方はお気軽にご相談ください。を追加してください。
    検査当日
  3. 検査
    1. アクセサリー、時計などの貴金属類は外してください。
    2. 薬を投与するための点滴を確保します。
    3. ストレッチャーに横になっていただき、腸の動きを抑える薬を点滴から投与します。ご希望があれば鎮静剤と鎮痛剤を注射し、リラックスした状態で検査を行います。
    4. 検査を実施します(所要時間は観察のみの場合10~15分程度です)。
    検査
  4. 検査後
    1. 鎮静剤を使用した場合は、検査が終了した後に回復室で1時間ほどお休みいただきます。お休みいただいた後、医師から結果説明があります。
    2. 検査後より食事をお取りいただいて大丈夫です。
    3. 生検やポリープ切除を行った場合は、検査当日はアルコールや香辛料などの刺激物を控え、消化の良いものを召し上がるようにしてください。
    4. 鎮静剤をご希望の方は、検査当日ご自身の運転(車・バイク・自転車など)でのご来院をお控えください。
    検査後